2014年1月21日火曜日

長期計画2(売ろうと思わなければ売れない)

ユニクロの柳井さんが書いた「現実を視よ」を読んでいる。
その中に、計画の必要性と注意事項が書いてある。

「100億円売ろうと思わなければ、100億円売れない」
100億円売る計画をつくるには、これまでの方法論を一度完全に捨て去らなければならない。
優秀な人間ほど、過去の思考パターンに引きずられる傾向がある。一つのパターンが何度も通用するならビジネスで失敗する人はいない。
現場に隠れてる将来の成功に必要な要素が見えなくなってしまう。だからこそ「成功は1日で捨て去らなければならない」と。

商売において絶対に必要なことは、現場に立って感じる直感や肌感覚。このセンスを磨くことなく理論に頼っていては成功など夢のまた夢だろう。

もちろん、理論や数値化がいらないと言っているのではない。現象を抽象化して数値化すると、それまで見えなかった事実がはっきりすることがある。

要は使い方とバランス。理論や数値を超えるものが見れるようにならないといけない。

まずは、100億円売ろうと思わないといけない。
10億円規模の売上で、100億円売ろうと思えるだろうか。

今期、1000万円の売り上げで、来期1億円売る為に計画を立てているか。同業者のやり方と同じ今までの方法論を一度完全に捨て去って考えてみよう。

日常に追われずに、考えなければならない。そうじゃないと忙しいばかりで来期も同じになる。

2014年1月14日火曜日

コミュニケーション

佐藤可士和さんの書いたクリエイティブシンキングによれば、コミュニケーションのスキルアップするのは簡単だそうだ。”無意識”によるコミュニケーションを”意識的”に切り替えることから全てがはじまるとのこと。

 ・人の本意を聞きだすスキル
 
 
  この際欠かせないのが思考の情報化というプロセス:頭の中にあることを、言葉と言う形にして
  どんどん引き出していこうという積極的な行動が必要になる。自分が積極的に相手の話を咀嚼 
  して理解する。

 
 前回のトピックスの長期経営計画でも同じ事が言えます。思考の情報化プロセスです。

 「一番強調したいことはこういうことですよね」と。

 ・話の本意を読みとる。
  本意がはっきりしない、ピントが合わない場合は、極論を投げかけるそうです。「このプロジェク 
  ト、中断してみたら」とか。

・自分の考えを正確にまとめる
 
 
 もし、違っていたら、整理しなおして再度ぶつけてみる。何度か少しずつ軸を修正。

・相手に解りやすく伝える。
人間同士はたやすく解り合えない。「阿吽の呼吸」は立ち行かなくなった。

常にお互いの思いを徹底して確認しあうこと。できあがったものがピシッとお互いにフィットするように。

先日、ご婦人方のコミュニケーションに参加させられた。来年度の世話役を決めるようだ。「聞いておいて下さい」と。男性の私からすれば、長い、長いコンセンサスの取り方に少しついていけないなーと。また、また、話が何度ももとに戻ってしまう。これが女性特有の丁寧なコミュニケーションなのかもしれませんね。あとあと意図したことが誤解されてトラブラないように。

社長と社員も丁寧なコミュニケーションが必要ですね。

私の無意識のコミュニケーション(せっかち、簡単に、省略して、わかってくれているだろうとの勝手な思い込み)が意識化(人間同士はたやすく解り合えないからね)されました。
経営書を読んだ価値ありです。

ありがとうございます。

2014年1月9日木曜日

長期計画の必要性

長期利益計画の必要性について考える。長期利益計画など描いたとおりにならないのだからいらないという論者もいる。果たしてそうだろうか。

・短期利益計画を積み重ねたものが長期利益計画ではない。
・長期利益計画とは、長期と言うと期間的な印象が強いが、むしろその点にとらわれず、今まで漠然と考えていたことを文章にして正確にするということと考えることが重要である。
・経営者には、計画は俺の頭の中にあるからと、紙に書かない。しかし本当は考えていない。考えていないから紙に書けない。
・箇条書きでいいのだ。必ず商売を1日やらないこと。その1日を使って計画書をつくろう。計画書を作らなければ実行できない。

日常の業務に追われているから、5年後を大きく考えることができない。積み上げていっての5年後はなんとつまらないものか。

 
認識を改めよう。
  1. 予測が難しいからこそ、考えなければならない。
  2. 考えない人より考えた人の方が有利だ。
  3. 商売に絶対にいいということはない、よりよいことをやっていくのが得策なのだ。
  4. 無駄をなくことができる。3年後に実らないことを一生懸命やらないために。

 
日常業務に追われ、計画もつくっていない経営者がいる。社員には頑張りが足りないと怒っているが方向も示さないでただ頑張りが足りないと言っている。問題は方向を示さないと社員は育たない。

長期経営計画の要諦は、社員の給料を5年後にいくらにするかを決めること。例えば倍にする。

社員の希望が長期経営計画にリンクしないといけない。そうじゃないと売れ売れと言われても儲かるのは経営者だけじゃないかと見透かされてしまう。経営者は我利我利では会社は大きくならない。運よく儲かれば高級マンションに住み高級外車に乗る。それで10年は持ってもそれ以上は持たない。会社は大きくならない。

社員の給料を5年後に倍にする。そのために今期は幾らの売り上げが必要かが社員みんなの意識の中に入ってくる。1人、1人がよし給料をあげるぞとの意識でやれる。長期計画から逆算して、今期の目標ができる。みんなが実現に向かう。

絵にかいた餅の経営計画に慣れてしまうと社員は適当にやっておけばいいと思う。

計画通りにいかなければだめだというのが、会社を大きくするための考え方の基本である。

計画なんていらないとか言うのは会社が大きくなって、優秀なスタッフがそろってからだ。

  次回につづく

2014年1月6日月曜日

見立ての習慣


アートディレクターの佐藤可士和さんの書いたクリエイティブシンキングに「見立て」のことが書いてあります。

茶の湯の世界であるものを別のものになぞらえて見る、ことをいうそうです。
佐藤さんもアートディレクターとして言葉にしてわかってもらうために、くどくど説明するより「要するに××みたいなものです」というかんじで的確に見立てられるとイメージの共有ができ、考えていることがうまく伝わり、仕事がスムーズに進んだ経験があるとか。

普段からあらゆる事象(ためしに自分の職業でも)について見立てのトレーニングをしていると抽象的に掴みにくい事象をいろんな角度から立体的にとらえられるようになり、表現力が飛躍的に豊かになりますとのこと。

「アートディレクターは、クライアントの課題をカウンセリングを通して見つけ出し、それに対する処方をデザインという手法で行う、いわばコミュニケーションドクターのような仕事です」と記されている。

私たちは経営者の課題を会計数字を把握して、コミュニケーションを図り、まもりの要となりながら、次の打ち手を経営者といっしょになって考える、いわばオリンピック選手に寄り添うコーチのような仕事です」

あまりうまいたとえじゃないですね。しかし、ともにオリンピックを目指す人、やりましょう!

2014年1月2日木曜日

2014年を迎えて

2014年を迎えて年頭所感

2013年12月31日、晴れ渡る空に富士の高嶺を見る。霊山の英気に触れ、自らの視野の狭さを自戒しながら眼下を流れゆく富士川に悠久の時を感じる。人間が所有するというものは、一時の欲望を満たすものであって、真に所有することはない。いずれ死期を迎える。

何が難関なのか、卵が孵って雛になるためには殻を打ち破らなければならない。それも雛が中から打ち破らなければならない、難関はこの孵る雛にとっての殻のようなもの。人にとっては目に見えない殻。いつのまにか自らの心にできてしまった殻をまだ薄いうちに打ち破らねばならない。

ビジネスがうまくいくいかないも、その原因は自己にあり。
「人間社会には、信じるという精神機能の薄弱な者、中途挫折の惰性をもっている者、物事を正面から素直に見られない者、利己中心の発想法から一歩も出られない者、邪推ばかりしたがる者、実に限りない多様性が人間社会にはある。・・・その中で非常に面白い現象は、大発展をとげている会計人は、決まって、格差を作る主人公は俺自身なのだ、と考えており、反対に足踏み転落を続けている会計人は、格差の原因は俺以外の環境条件の中にあるのだと思い込んでいることです。」(「激流に遡る」 飯塚毅著 199頁~200頁)

2014年をこの心境を持って、すでに硬くなってしまった可能性が高い自身の殻を打ち破っていこうと思います。


啐啄同時」(さいたくどうじ)とは、雛が卵の殻を打ち破らんとする時と、親どりが外からつついて殻を破るのを手伝ってくれる、その瞬間がまさに同時に行われなければならないことを意味します。
 
 
 

よき会計人の先輩方、仲間のみなさん、先達の書物をもって、外側から私の殻をつついてもらいながら、私自身も内側からその殻を突き破る1年として2014年を過ごしたいと思います。
 
  
              
                                    
                                    2014年1月1日
                                    公認会計士・税理士 久保田 亮示